建造物

建造物 

本堂

徳成寺本堂断面図

本堂は桁行7軒、梁間6間半、入母屋造、平入、桟瓦葺、
一間(本堂柱間の3間分の相当)向拝付である。

自然石礎石を置いて柱を立てる。ただし、内陣の地盤は周囲よりも一段高くつくる。

内陣の柱は丸柱(床下8角)とするが、他はすべて面取り角柱である。足固貫・切目長押・内法長押・頭貫(虹梁型)で固め、台輪をおく。
組物は、外陣は出組、内陣は尾垂木付き二手先、中備は蟇股である。
正面には切目縁を付け、縁先に角柱を立てて、正面の柱と虹梁でつなぎ、大瓶束を載せて大斗肘木を載せて桁を受ける。縁の内には棹縁天井を張る。
向拝は、礎石上に礎盤を置き、几帳面取り角柱を立てる。
組物は連三ッ斗で、手狭を入れる。向拝柱は互いに水引虹梁で堅め、木鼻は側面が獏、正面は獅子とする。また、前面縁先に立つ柱と虹梁でつなぎ、上に大瓶束を載せ、そこから海老虹梁でもつながれる。

徳成寺本堂平面図

内部は手前から、3間の外陣、1間の矢来内、2間の内陣に大きく分かれる。内陣の左右を間口2間の余間とする。また外陣の内陣両脇筋には2本ずつ立ち、縦横に虹梁で側柱と連結され、また無目に敷居が入る。

内陣は、床を外陣より一段上げた黒漆塗りの板敷で、天井は折上格天井である。後方から半間の位置に来迎柱を立て、来迎壁を設け、その前面に須彌壇を置いて本尊を安置する。
内陣正面には双折金障子を入れる。
余間は、外陣よりも高いが、内陣よろ床を低くつくる。畳敷、棹縁天井で後方に仏壇を設ける。余間と矢来内境、内陣境には襖を引違いに入れる。
矢来内は畳敷で、天井は格天井である。
外陣は、畳敷で、中央間が格天井、両脇間は棹縁天井であるが、大きく4つに区画して、棹縁の向きを変える意匠とする。

※木葉病院の検証 建造物の調査 伊東龍一
(熊本大学自然科学研究科大学院教授)執筆より抜粋




梵 鐘

photo:浄土真宗本願寺派 徳成寺(熊本)

大東亜戦争に付、拠出献納されましたが
昭和36年4月29日に再建されました。







右写真:功徳敬讃法要厳修時(昭和17年12月8日)